ダイバーシティ・マネジメント

ダイバーシティ・マネジメント

ダイバーシティを効果的に進めた企業では、多様な社員の違いを戦略的に活かすことで企業の競争力強化につなげられている例が多くあります。組織マネジメントにダイバーシティを取り入れることで、チームの生産性やパフォーマンスの向上を図ることが可能となります。

組織でのダイバーシティ

さまざまな違いを尊重して受け入れ、「違い」を積極的に活かすことにより、変化しつづけるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに最も効果的に対応し、企業の優位性を創り上げること

日本でも働く人々の属性や価値観が多様化し、消費者ニーズの多様性も進んでいることは無視できません。
社員一人ひとりの違いが不利にならず、全社員が持っている能力と可能性をフルに発揮して貢献できるよう、ダイバーシティを推進していくことが企業の将来の繁栄へつながっていくでしょう。

同質性の高い企業では、大多数の人が似たような視点や価値観を持つため、革新的なアイデアや問題解決策は生まれにくく、多様化する顧客のニーズにも適切に応えられないため、組織の競争力を低下させるのです。
対して異質性の高い企業では、多様な人材のさまざまな経歴、個性や能力をフルに発揮させることにより、変化激しく不確実な経済環境に柔軟に対応することが可能になります。米国のシリコンバレーでは研究者やエンジニアたちの過半数以上が外国生まれという調査結果が出ており、そのような多様な人材の集まりから、今までにない多くの斬新的な製品やサービスが生み出されているのです。

ダイバーシティ・マネジメントとは

いろいろな定義がありますが、いくつかを挙げるとー

  • 誰も有利または不利にせず、全従業員が生産性高く働くことができる環境を築き上げる統合的なマネジメントプロセス(ハーバードビジネスレビュー)
  • A comprehensive management process for creating an environment that enables all members of workforce to be productive without advantaging or disadvantaging anyone. (Harvard Business Review)
  • 多様性を促進し、最大限活用することにより、企業パフォーマンスを向上させる環境を創る組織的プロセス

同質性の高いチームは、一度事柄が決まれば、コミュニケーションがスムーズで、効率的に物事が進みやすい。一方、異質性の高いチームでは職場でのあつれきや誤解が発生しやすくなります。ダイバーシティの課題のひとつは、あらゆる異質な要素がトラブルの原因となり、まさつや葛藤を引き起こすこと。
つまり、単に多種多様な人材を採用するだけでは、企業メリットにつながらないばかりでなく、かえってデメリットが生じ、その結果、チームの生産性やパフォーマンスが低下してしまうのです。

実際、「異質なチームであるだけでは高い生産性や仕事の質は約束されない」という調査結果が多数報告されています。一方、「適切に違いを受け入れ、効果的にマネージすれば創造性、問題解決やチームの生産性へプラスに影響する」ことも明らかとなっています。

重要なのは、制度を充実させ多様な人材を「採用・定着」させるだけでなく、全社員の態度と行動にダイバーシティの尊重を反映させることにより、様々な違いを「受容する企業風土」を築くこと。 そのためは全社員のダイバーシティへの正しい理解と適切な行動を促進する教育や意識改革が不可欠となるのです。